この記事では、統計検定1級の統計応用を最優秀成績賞で取得した私の、統計検定1級(統計応用)の合格体験記を書いていこうと思います!
特に、医薬生物学分野の情報は少ないと思いますので、是非参考にしてみてください!
1級合格を目指す方の力になれれば幸いです。
統計検定のラスボス、1級を攻略する上で少しでも参考になれればと思います!
ちなみに、数理・応用両方で最優秀成績賞を取得しています!
統計数理の方も記事を書いておりますので、統計数理が気になる方はこちらの記事をご覧ください!
1級受験体験記 ~統計応用編~
受験直前期から受験当日までのことを書いていこうと思います!
ここでは統計応用の内容しか書かないので、統計数理の方も是非ご覧ください。
受験前
統計数理の方は、2021年6月度の準1級の試験が終わった直後から学習を開始していました。しかし、統計応用の方は対策がしづらいこともあり、後回しになっていました。
試験1か月半前くらいの段階で、統計応用に合格するには何をしたらいいか分析しました。
過去問をざっと見てみたところ、生存時間解析やカテゴリカルデータ解析などは毎年出ています。統計応用も統計数理と同様に、5問中3問を選択する形式です。
そして、5問の内訳としては、4問は医薬生物学独自の問題、1問は他の分野とも共通の問題となっています。
私は、生存時間解析、カテゴリカルデータ解析、ノンパラメトリック法を中心に勉強することにしました。あとは、統計応用の場合、その場で考えてわかる問題もあったりするので、この3分野を中心に勉強しておけば3問は選べるだろうと考えました。
これらの分野に加えて、重回帰分析、質的回帰などの回帰分析系や、分散分析も出題しやすいだろうと思ったので、準1級対応の『統計学実践ワークブック』の後半部分を中心に復習しました。
あとは、『統計検定1級対応 統計学 』の医薬生物学分野を見て勉強しました。
この参考書は公式のものでありながら、内容が分かりづらく、ざっくりしすぎだと思います。準1級対応の『統計学実践ワークブック』とは大違いです。
しかし、これを見ないとどのような内容を勉強したらいいか分からないので、しょうがなくこれも勉強しました。公式のものをやらないと、勉強する範囲に偏りがでてしまうので、一通り見ておくことをお勧めします。
基本的にワークブックと『統計検定1級対応 統計学 』だけで勉強していました。残りは統計数理の勉強を重点的にしていたのですが、2週間前くらいにさすがに不安になりました。
そこで、生存時間解析は必ず毎年出るので、そこだけに絞った本を買って勉強することにしました。『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』を買いました。高価な本ではありましたが、ここまできたら後悔したくなかったので買いました。
最後の2週間は、過去問をやりながら、ワークブックや『統計検定1級対応 統計学 』を確認したり、『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』を読みながら、生存時間解析で出そうな問題を考えたりしていました。
統計数理の方は正直自信がありましたが、総計応用は最後まで不安なままでした。
本番!!
試験についても、統計応用に絞って書きます。
統計数理の記事でも書きましたが、試験に際しては、いかに冷静に問題を選び、解いていくかが大事です。そのために、試験中にすることを単純にすることで、感情に左右される部分をできるだけ減らす必要があります。
そこで、統計応用でも解き進め方を決めていました。統計数理とは戦略が少し変わります。
統計応用では、自分が知らないことが出る前提で臨みました。知らない場合でも、誘導に乗って考えればわかる場合もあります。そこで、下のような戦略を取りました。4は統計数理の時と同じです。
- まず、自分が知っている範囲からの出題かを確認する。
- 自分が知っている範囲の知識で解けそうなら、その問題を選択する。
- そうでない場合は、誘導に乗って考えればわかりそうかを見る。その際、計算量にも注意する。
- 計算が大変そうな問題は、問題用紙で解答のガイドラインを書いて整理する。
試験が開始して、上の流れに沿って解く問題を決めました。2021年度の問題を見て頂けたら、イメージしやすいと思います。
まず、問1は生存時間解析です。
(1)、(2)は典型問題です。(3)は問題文がややこしそうですが、解けそうです。(4)は面倒そうです。(5)は、(4)ができたらできそうですが、グラフを書くまでに時間がかかりそうな印象を受けました。
次に問2は、AUCの中央値とか出てきてよくわかりません。(1)が解けても(2)が全くできない場合も考えられそうです。
問3はカテゴリカルデータ分析です。分割表とかはしっかり対策していましたが、残念ながら勉強不足のためCochran検定が分かりませんでした。これはしょうがないので切り替えます。
問4は変量効果モデルです。変量効果モデルは、与えられた仮定の下で、しっかり誘導に乗ることが大事です。なんだか、冷静に考えたら解けそうな気もする問題に見えます。
問5はいつも通り、他の分野との共通問題です。比較的解きやすい印象はありますが、難しい年もあります。今回はコロナ禍ということで、感度、特異度についての問題で、時事問題かなと思いました。これは比較的解きやすそうに見えます。
総合的に見て、問1、4、5を選ぶことにしました。Cochran検定を勉強しておけばと後悔しましたが、後の祭りなので、すぐに切り替えました。
問1から解いていきましたが、思ったより時間を使いました。一応解き切りましたが、(4)の6つの値を求めるところが計算ミスしてそうです。この時点で30分ほど経過しており、ある程度見直しはしましたが、時間的に次に行くしかありません。
問4は(2)の対数尤度関数が、文字が多くて煩雑で、途中でミスに気づき、時間を食いました。さらに最尤推定量を求める計算がかなり面倒です。電卓を駆使してなんとか解きました。(3)もなんとか解いて、この大問もなんとか解き切りましたが、正直(2)と(3)の計算はあまり自信がありませんでした。
問5に行った時には、残り20分切っていたと思います。かなり急いで解きました。ここはそこまで難しい問題ではなかったのですが、時間の関係で、かなり雑になってしまいました。ギリギリで解き終わりました。先に問5から行けばよかったと後悔しました。
本当は、見直しをもうちょっとしたかったですが、解きながら見直しも平行していたのでよしとしました。
ケアレスミスに関しては、勉強法の記事で書いているのですが、私は、試験を受けるときに、「試験中にミスを何個見つけられたか」を常に見ています。どこかで絶対ミスはしているので、0だとヤバいです。相当調子が良かったら、1、2個でも大丈夫なときもありますが、最低でも3個は見つけたいです。4、5個見つけられたら、かなり安心します。
今回の試験では2個くらいだったような気がします。ちょっと不安ですね。
ということで、さすがに合格したかなとは思いましたが、目標としていた最優秀賞に関してはあまり自信がありませんでした。
結果
解答が発表されて、自己採をしました。
問1は(1)、(2)、(3)は合ってましたが、案の定、(4)の計算で間違ってました。(4)が6つの内3つ間違っており、そのせいで(5)のグラフも間違えていました。考察は言ってることは外れてはなかったのですが、グラフ自体が違うので、どう評価されるか分からないなという感じでした。
問4は、焦りすぎて、解答の数値を問題用紙に書き込み忘れていたので、(2-3)と(3-2)は合っているか分かりませんでしたが、式までは合っていたので安心しました。数値は合ってなかったとしても、途中計算も詳細に書いていたので、点数はもらえるだろうと思いました。
問5は(1)、(2)、(4)は正解しており、(3)は間違えていました。(5)は焦りすぎてなんて書いたか覚えていませんが、大きくは外してなさそうでした。
問2は思ったより簡単そうでした。こっちを選んでおけばよかったとは思いましたが、そこも含めて実力なので、しょうがないと思いました。
自己採を終え、合格は間違いないと思いました。ただ、判断基準が分からないため、最優秀成績賞の自信はありませんでした。
ですが、1か月後のweb合格発表で、最優秀成績賞を取れていることが分かりました。
非常にうれしかったです!
さいごに
この記事では、統計検定1級の統計応用の合格体験記について書きました。
自分が受験するときは、今ほど情報もなく、勉強法やどういう心持ちで試験に臨んだのかもっと知りたかったです。
なので、今回このような記事を書かせていただきました!
他にも実際にどのような勉強をしたのかなど、記事にしておりますので、是非ご覧ください!!
コメント