【統計検定準1級】ワークブックの読み方~2章~

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この記事では統計検定準1級合格する上で必須の参考書である、統計学実践ワークブックの読み方を解説します!

全体的な話はこちらの記事で解説しているので、見ていない方は読んでみてから各章の読み方に入っていくといいと思います。短い記事なのでサクッと読めます!

そして、1章はこちらになります。

それでは早速、今回は「2章.確率分布と母関数」です!

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2章のポイント

  • 累積分布関数、確率関数、確率密度関数の定義をおさえる
  • 周辺分布、周辺確率関数、周辺確率密度関数、条件付き確率関数、条件付き確率密度関数の定義をおさえる
  • 確率母関数、モーメント母関数の定義をおさえる
  • 確率母関数、モーメント母関数の性質とそれが重要な理由を説明できる

2章は、数理統計学の基礎中の基礎の内容となっています。

後々、第5、6章で様々な確率分布が出てきます。これらは、準1級並びに1級統計数理の大きな山場となりますが、ここをマスターする上で2章の内容は絶対に理解しておく必要があります!

勉強が進んでいくと、前の基本の部分が曖昧になったりしますので、簡単だからと高を括らずに繰り返し勉強しましょう!

さて、ポイントですが、
上で書いている用語の定義はしっかり言葉で説明できるようにしておきましょう。言葉で説明できるようにしておくことで、数式に落とし込むことができます。

条件付き確率関数や条件付き確率密度関数などは何気に大事です。計算までしっかりできるようにしておいた方が、後々多変数確率分布が出てきたときにスムーズです。

そして、この章で特に大事なのが、確率母関数モーメント母関数です。
これらが確率分布を理解する上で大事な理由は以下の3点です

母関数が大事な理由
  1. 確率変数の期待値、分散を求める上で効力を発揮するから。
  2. 確率分布との1対1対応するから。
  3. 独立な変数の和が母関数の積に対応するから。

1に関してですが、
ある確率変数があったときに、その期待値、分散が知りたくなるのは当然の流れとなります。
その際、定義通りに期待値、分散を求めるのが難しい場合があります。そのようなとき、母関数によって求めることができます。

2,3に関してですが、
これによって、独立な確率変数の和がどのような分布に従うか求められます。

——-例——-
たとえば、確率変数X1Xがそれぞれ独立に正規分布に従う場合に、X1Xという確率変数が従う分布を求めたいとします。

この場合、正規分布に従う確率変数のモーメント母関数(m(θ)とします)を知ってさえいれば解けます。
まず3を使って、X1Xのモーメント母関数を求めます。これは、m(θ)を二つ掛け算して求められます。
そして2を使えば、X1Xのモーメント母関数が正規分布のモーメント母関数の形になっていれば、X1Xは正規分布に従うと言えます。
——————

このような求め方は、正規分布に限らず普遍的な手法です。

ある確率変数がどのような分布に従うか知るには母関数を求めてみて、それがどの分布の母関数と一致するか調べればいいということです!
母関数↔確率分布の対応ができることが、準1級および、1級統計数理でめちゃくちゃ大事です。

問題ピックアップ&ポイント

大事な問題を選ぶとすれば、問2.3でしょうか。

実際に指数分布に従う確率変数のモーメント母関数を求めて、そこから期待値、分散を求めてみましょう。
また、自分で定義通り期待値、分散を導出してみて比較してみましょう。
定義通りだと、部分積分をする必要があり、ミスが増える印象を受けるかと思います。

期待値くらいならまだいいですが、これが高次のモーメントを求めるとなるとかなり大変だと分かると思います。
高次であっても、微分すれば簡単に求められるのが、母関数の強みです!

実際に計算してみて体感することが大事です。
頭でわかっていても、実際にやってみてしない方がいいということが分かってないと、本番に限ってやってしまうものです。

3章に向けて

2章の知識が大活躍するのは、5,6章なので少し間が空きます。では、3章では何かというと、「分布の特性値」です。

期待値、分散だけでなく、様々な値が分布を特徴づけます。
それらを学んでおくことで、5,6章で様々な確率分布を見たときに、深い考察ができるます!

このように、章の順番には、日本統計学会の意図があると思って、学習を進めていくと、より俯瞰的に統計検定対策ができるのではないかと思います!

それでは、3章(準備中)へGo!

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