統計検定1級と準1級の違いとは?

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この記事では、統計検定準1級と1級の違いを解説していこうと思います!

ちなみに、統計検定準1級と1級の両方で、最優秀成績賞を獲得しています!どちらの試験も最高の評価を頂いた観点から、その違いを解説できればと思います。

そして、いずれかの試験の合格を目指している人や、受験を迷っている人の参考に、少しでもなれれば幸いです!

今回の記事では、以下のような視点から、準1級と1級の違いを書いていこうと思います!

  • 難易度はどのくらい違うの?
  • それぞれの試験はどんな力が必要なの?
  • 2つの試験はそれぞれ、どのような人に向いているの?
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統計検定準1級と1級とは?

そもそも統計検定とは、一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している検定で、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験であり、以下のような種別に分かれています。

検定種別試験内容
統計検定1級実社会の様々な分野でのデータ解析を遂行する統計専門力
統計検定準1級統計学の活用力 ─ 実社会の課題に対する適切な手法の活用力
統計検定2級大学基礎統計学の知識と問題解決力
統計検定3級データの分析において重要な概念を身に付け、身近な問題に活かす力
統計検定4級データや表・グラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中での活用力
統計検定 統計調査士統計に関する基本的知識と利活用
統計検定 専門統計調査士調査全般に関わる高度な専門的知識と利活用手法
統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)具体的なデータセットをコンピュータ上に提示して、目的に応じて、解析手法を選択し、表計算ソフトExcelによるデータの前処理から解析の実践、出力から必要な情報を適切に読み取る一連の能力
統計検定 データサイエンス発展(DS発展)数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムのリテラシーレベルのモデルカリキュラムに準拠した内容
統計検定 データサイエンスエキスパート(DSエキスパート)数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの応用基礎レベルのモデルカリキュラムを含む内容
統計検定:Japan Statistical Society Certificate

その中でも、準1級と1級はトップ2に君臨する資格となっています。そして、「統計検定1級・準1級公式問題集」(日本統計学会 編)によると、

・準1級は2級までの基礎知識をもとに、現実のさまざまな課題に応じて適切な統計的手法を応用し結果を正しく解釈する力を試験する。
・1級は大学専門分野修了程度の総合的な能力を問う試験です。

と書かれています。

準1級と1級に必要な力

実際に受験した肌感覚として、それぞれ必要な力を書いていこうと思います!

準1級

まず、試験範囲が非常に幅広いです。確率分布や極限定理、漸近理論といった数理統計学的な分野から、検定や確率過程、回帰分析、分散分析、時系列解析などの応用手法、さらには、ベイズ法やシミュレーションまで範囲に入っています。

なので、幅広い知識を正確にインプットし、それらを正確に運用できる力が必要です。
先述した、準1級の説明にあるように、適切な統計手法を選択し、その解釈ができないといけないです。したがって、これを知りたいときはこの統計手法!とか、この結果が出たならこれを計算して、こういう意味だ!とか、わかる必要があります!

まとめると、準1級は広範な手法の特徴や使い方といった知識的な要素が強いです。もちろん、数値計算もありますが、数値計算の部分は2級の範囲の統計的推定や仮説検定などが中心となるので、2級の範囲をしっかり復習しておくことが大切かと思います。

これらは、実際の過去問やワークブックを読むとイメージしやすいかと思います。

1級

1級はこの記事でも書いたように、統計数理と統計応用の2つを取得して初めて合格したことになります。そして、統計応用は4つの分野から1つの分野を選択します。

統計数理

まず、統計数理ですが、ほぼ微積分の試験です。笑

統計数理は、確率分布や推定量などに関する計算が中心となります。数学的な思考力や、洞察力がかなり必要な試験だと思います。
大学レベルの微積の知識は絶対に必要になります。また、線形代数の知識も必要ではありますが、重要度で言えば、微積分>線形代数だと思います。私自身、参考書の内容を理解するために、その都度調べていましたが、計算の仕方は最後までよくわからないところもありました。ただ、時間に余裕があるなら、線形代数もしっかりやっておくべきだと思います。

高校自体に数Ⅲをやっていない人は、数Ⅲからやった方がいいと思います。

統計応用

統計応用は分野によって異なる部分が多いです。

分野は、人文科学、社会科学、理工学、医薬生物学の4つです。私自身は医薬生物学を選択しているので、その視点から説明していきます。

統計応用といわれるだけあって、かなり応用力が問われるイメージです。
基本的に知らない問題が出ます。笑
その中で、統計数理で培った数学的思考力や、準1級で培った手法に対する理解力を総動員する感じです。

ただ、分野によってだいぶ傾向が違うようで、理工学は数理の計算力でごり押せるというのもよく聞きます。なので、イメージするためにも、実際に問題や参考書を見てみることをお勧めします!

準1級と1級に向いている人

準1級

データサイエンスを学びたい人実務でデータ分析や機械学習を使う人に向いていると思います!

準1級の試験は個人的には、非常に完成度の高い試験だと思います。特にワークブックは幅広い知識を体系的に学ぶことができます。しかも、それを試験でアウトプットする機会まであるので、これを生かさない手はないです!

私自身、データサイエンスに興味を持ったところから統計学の勉強を始めました。
準1級で幅広い手法を腰を据えて勉強することができたことで、実際にデータ分析や機械学習を実装する上で非常に役に立っています。
Kaggle(データサイエンスの世界的コンペティション)のメダルを獲得できたのも、準1級の際にしっかり統計学を学んだおかげだと思っています。

1級

1級は、統計学という学問をより深く学びたい人に向いていると思います!
たとえば、大学で数理統計と専攻しているとか、それ以外の分野が専門だけど統計学を自身の研究に生かしたいとか、そんな人です。

統計学は、学べば学ぶほどその学問の奥深さを感じられると思います。統計学そのものを面白いと感じる人は、1級を取得するまでの勉強のプロセスを楽しめると思います!

私自身の専門は医学ですが、医薬生物学分野で統計応用を取得したことで、研究における統計学の応用などに関して、全く不安がなくなりました。

さいごに

この記事では、統計検定準1級と1級の違いを解説しました。

違いはありますが、どちらも非常に面白く、また役に立つ試験だと思います!
現代はビッグデータの時代であり、すべての職種、すべての研究分野において統計学の知識は必須だと思いますし、その勉強に統計検定を利用するのは非常に有効だと実感しています。

この記事が、準1級や1級の受験を考えている人の参考になれればありがたいです!

準1級や1級の勉強法に関しても記事を書いているので、本格的に受験を考えている人は是非、見てみてください!

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