最優秀賞取得者による、統計検定1級攻略法!!!~統計応用(医薬生物学)編~

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この記事では、統計検定1級統計応用最優秀成績賞で取得した私が、統計検定1級(統計応用)の攻略法について紹介したいと思います!

特に、医薬生物学分野の情報は少ないと思いますので、是非参考にしてみてください!

1級合格を目指す方の力になれれば幸いです。

統計検定のラスボス、1級を攻略する上で必要なことを余すことなく伝えられたらと思います!

ちなみに、数理・応用両方で最優秀成績賞を取得しています!

統計数理の方も記事を書いておりますので、統計数理が気になる方はこちらの記事をご覧ください!

使った書籍も最後に紹介していますので、もしよかったら参考にしてみてください!

1級を受ける上で知っておくべきこと ~統計応用編~

まず、1級(統計応用)を受験する上で知っておくべきことが3つあります。

  1. 準1級対策の勉強が1級対策の基盤となる。
  2. 統計応用(医薬生物学)は、統計数理と別物。
  3. 統計応用(医薬生物学)は統計数理に比べて対策しづらい。

1.これについては、統計数理の攻略記事でも書きましたが、準1級対策のワークブックは1級対策にも非常に有用です。統計数理では、前半部分(1~12章)が重要ですが、統計応用(医薬生物学)では、後半(特にノンパラメトリック法や分散分析、分割表など)が大事だと思います。

2.統計応用の理工学分野は、統計数理ができれば押し切れると聞いたことがあります。しかし医薬生物学分野では、統計数理が得意でも、応用に向けてしっかり対策しておかなければ、合格は難しいと思います。詳しくは勉強法のところで書きたいと思います。

3.正直、統計数理は『現代数理統計学の基礎』(久保川達也著)をやっておけば大丈夫ですが、統計応用(医薬生物学)は、これをやれば大丈夫という参考書はありません(私が知らないだけかもしれないので、もしあれば教えてほしいです)。最初から知らない内容が出るものと思っておいた方がいいと思います。

1級受験体験記 ~統計応用編~

勉強法の前に、受験体験記から書いていこうと思います。

統計数理の攻略記事でも書きましたが、勉強法は体験の中で培っていくものなので、勉強法を語る上では体験記も欠かせないと思ってます。

ここでは受験前に絞って書きたいと思います。本番の解いた流れなどを知りたい方は、以下の記事を是非ご覧ください!

さて、統計数理の方は、2021年6月度の準1級の試験が終わった直後から学習を開始していました。しかし、統計応用の方は対策がしづらいこともあり、後回しになっていました。1か月半前くらいの段階で、統計応用に合格するには何をしたらいいか分析しました

過去問をざっと見てみたところ、生存時間解析やカテゴリカルデータ解析などは毎年出ています。統計応用は5問中3問を選択する形式で、5問中4問は医薬生物学独自の問題、1問は他の分野とも共通の問題となっています。

私は、生存時間解析カテゴリカルデータ解析ノンパラメトリック法を中心に勉強することにしました。あとは、その場で考えてわかる問題もあったりするので、この3分野を中心に勉強しておけば3問は選べるだろうと考えました

これらの分野に加えて、重回帰分析、質的回帰などの回帰分析系や、分散分析も出題しやすいだろうと思ったので、準1級対応の『統計学実践ワークブック』の後半部分を中心に復習しました

あとは、『統計検定1級対応 統計学 』の医薬生物学分野を見て勉強しました。内容が分かりづらく、ざっくりしすぎだと思います。しかし、これを見ないとどのような内容を勉強したらいいか分からないので、しょうがなくこれで勉強しました。

基本的にワークブックと『統計検定1級対応 統計学 』だけで勉強しながら、残りは統計数理の勉強をしていたのですが、2週間前くらいにさすがに不安になりました

そこで、生存時間解析は必ず毎年出るので、そこだけに絞った本を買って勉強することにしました。『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』を買いました。高価な本ですが、ここまできたら後悔したくなかったので買いました。

最後の2週間は、過去問をやりながら、ワークブックや『統計検定1級対応 統計学 』を確認したり、『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』を読みながら、生存時間解析で出そうな問題を考えたりしていました。

統計数理の方は正直自信がありましたが、総計応用は最後まで不安なままでした。

勉強法 ~統計応用編~

自分に合いそうな部分を参考にしていただければと思います。

前提として意識するべきこと

統計数理編同様に、意識することを2つ挙げます。1個目は統計数理と同じですが、2個目は違います。

  • 2級の攻略記事でも書きましたが、大事な力は自己分析力と論理的思考力です。自分に足りていない知識や考え方を冷静に分析し、それを解消するにはどういう努力をどのくらいするべきかを論理的に考える力です。
  • 統計応用(医薬生物学)は対策が難しく、見たことない問題が出る前提でいた方がいいです。見たことがなくても、考えればわかる問題もあります。その時、考え方の基盤となるのは、統計数理の対策準1級のワークブックなどで培った知識です。

やったこと

やったことは以下のつで、時系列順に並べています。

  1. 『統計検定1級対応 統計学 』の医薬生物学分野のところを読む。
  2. 『統計学実践ワークブック』の、統計応用に出そうなところを復習する。
  3. 『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』で生存時間解析の対策をしておく。
  4. 過去問を解いて、自分の勉強の方向性が間違っていないかを確認します。
  5. 試験直前に確認するA4 1枚のチェックリストを作っておきます。

4、5は統計数理編の3、4と同じです。

順に解説します。

1.まず、どのような知識が必要か分からないため、『統計検定1級対応 統計学 』を読んで、必要な知識を確認します。ただ、内容が非常にザックリしており、解説も少ないため、これですべてを網羅することは難しいと思います。ただ、ここに書いてあることは最低でもできるようにしておきます余裕があったら、書いてある内容を深堀りして対策しておくとよいと思います。私はそこまで余裕がなかったので、内容はよくわからないけどなんとなく使えるという状態で、正直その場しのぎでした。

2.再三言ってますが、『統計学実践ワークブック』の内容は、1級対策にも効果的です。統計応用では、後半部分が特に大事です。具体的には、13章以降の内容です。特に、ノンパラメトリック法、回帰分析系、分散分析と実験計画法、分割表は必須だと思います。

3.生存時間解析は毎年出るので、この分野はしっかり対策して完答できるようにしておこうと思いました。そこで、『医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版』を買ったのですが、これが試験2週間前でした。この本を選んだ理由は、どこかのサイトで「この本のデータと全く同じものが過去問に出ていた」という記述を見たからです。他の本と比べる暇もありませんでした。ただ、統計検定対策としては内容が盛りだくさんすぎるので、もっとコンパクトで検定試験に適した本があれば教えてほしいです。もう余裕がなかったので、5章までの内容に絞って読みました生存関数とハザード関数の関係やカプランマイヤー法による生存時間の推定はもちろんのこと、ログランク検定傾向性の検定層別検定グリーンウッドの公式(カプランマイヤー推定量の標準誤差)の導出比例ハザードモデルと部分尤度関数パラメトリック比例ハザードモデルなどを対策しておきました。特に、グリーンウッドの公式の導出や、パラメトリック比例ハザードモデルにおける指数分布やワイブル分布の当てはめは、出そうな気がしてましたが、結局出ませんでした。途中式も詳しく書いてくれているので、非常にいい本だと思います。

4.1、2、3をやりましたが、過去問でよくわからないものも多かったです(笑)。それでも限られた時間でやれることをやるしかないです。方向性としては、生存時間解析カテゴリカルデータ分析ノンパラメトリック法はしっかり解けるようにしておくことが大事かなと思います。ただ、それ以外の分野もしっかり解いておくと、「考えれば解ける問題」の感じがつかめると思います。全部で4年分ほどやったと思います。

5.5は統計数理の4番と同じ内容なので、そちらを参照していただけるとありがたいです。

統計応用をもう1回受けたとしても、「最優秀成績賞をとれるかはわからない」という感想です。つまり、最優秀成績賞はまぐれに近いと思います。これに関しては、完全に勉強時間が不足していたと思います。私の場合は、統計数理の方に時間を取られすぎていました。これから受験する方はバランスよく勉強しましょう

ケアレスミスについて

この手のテストでは必ず付きまとってくる、ケアレスミスについても書きたいと思います。

ケアレスミスを減らすには、2つの方法があります。まず一つはミス自体の頻度を低くすること。二つ目はミスを見つけることです。これを意識してケアレスミス対策をしましょう。前者としては、余計な計算を増やさないように、計算方法を効率化することや、割り算や小数の計算を減らすこと、などがあります。後者としては、別の方法で同じ問題を解くことで検算すること、などがあります。両者に効果的なのは、きれいに整理された答案を書くことや、1回の式変形でする作業を一つにすること(例えば、展開と積分を同時にしないとか)、などがあります。

そして、どちらのウェイトが大きいかというと、「ミスを見つける」方です!人間どんなに頻度を低くしても、ミスは絶対に起こります。そのミスを見つけられることによって、ケアレスミスを0に近づけられます。もちろん、あまりにミスの頻度が大きければ、どんなに見つけても追いつかないので、前者も必要です。あくまで、ウェイトは後者の方が大きいというだけです。

私は、試験を受けるときは、「試験中にミスを何個見つけられたか」を常に見ています。どこかで絶対ミスはしているので、0だとヤバいです。相当調子が良かったら、1、2個でも大丈夫なときもありますが、最低でも3個は見つけたいです。4、5個見つけられたら、かなり安心します

今回の試験では2個くらいだったような気がします。ちょっと不安でしたし、案の定、自己採点の時にいくつかミスが発覚しました。

使った書籍 ~統計応用編~

使った書籍を紹介します!

日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック (日本統計学会編)

ワークブックを完璧に仕上げておくことが、1級の合格への近道です。また、様々な統計的手法を網羅的にまとめてあるので、持っておいて損はないと思います。

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学 (日本統計学会 編)

統計数理のみの受験では必須ではないかもしれませんが、統計応用では必須な気がします。日本統計学会の、「こんな手法を知っておいてほしい」、というメッセージが書いてあると認識しています。

医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版 (David Collet 著 宮岡悦良 監訳)

生存時間解析に関して、非常に詳しく、かつ丁寧に解説されてあります。もっと早く買って勉強すればよかったと思いました。ただ、これを全部やるのはover killすぎるので、もっと安くてコンパクトな本があれば、それでもいいかもしれません。

現代数理統計学の基礎 (共立講座 数学の魅力) (久保川達也 著)

統計数理では大変お世話になりました。統計応用と統計数理は傾向が違うとはいっても、統計数理で培った力が統計応用対策での基盤となっていきます。なので、統計応用だけ受ける方でも、持っておいて損はないと思います。分布関数や標本分布、分布収束など導出、証明を丁寧に行っていて、参考書としても素晴らしいです。演習問題のレベルも簡単すぎず、ちょうどいいと思います。

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2018〜2019年] (日本統計学会 編)

過去問は必須です。準1級受験の際に購入したものを使いました。準1級だけをまとめたものが発売されたみたいなので、その内1級だけまとめたものも発売されそうですね。過去のものも購入して、大体4~5年分解きました。

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年] (日本統計学会編)

これも準1級が入ってます。準1級合格後に購入したのですが、1級だけにして安く発売してほしかったです。

日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2014〜2015年] (日本統計学会 編)

2015年以前のものは、1級だけまとめたものがあります。

さいごに

統計検定1級(統計応用)の攻略法ということで書いてみましたが、あくまで1人の体験談なので、参考にしてもらえればと思います。

少しでも、統計検定取得を目指す方々のお役に立てればうれしいです。

1級取得目指して頑張ってください!!

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